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「薬の一包化」とは、“正しい薬を適量、適切なタイミングで飲む”ということ。海外では「薬の一包化」のことを【Dose Dispensing (ドーズ・ディスペンシング/1回服用分に薬を払い出す)】と表現されています。
ドーズ・ディスペンシングは、いわゆる「リパッケージ事業」にあたります。製薬メーカーが小分けにしたオリジナル包装を一旦開封し、裸の錠剤にして、トーショーの分包機で包装し直す。このリパッケージに関する規制が世界各国様々で、まずはその国のレギュレーションに準拠する必要があります。日本国内では当たり前の一包化も、海外ではオリジナル包装を開封した後の錠剤の管理のあり方、安全性が厳しく問われます。また国のレギュレーションに加え、施設によっては、薬品製造基準ともなるGMP(Good Manufacturing Practice)への準拠を求められることもあるなど、要求の基準は年々高まっている現状があります。
トーショーの海外事業部の仕事は、そのような各国様々な規制をクリアし、その国の文化や考え方に則ったドーズ・ディスペンシングを実現し、薬を必要とする世界中の人々の健康・ウェルビーイングに繋ぐことです。
1980年代後半からヨーロッパやアジアなどへの展開を模索しはじめ、最初に錠剤分包機の導入に至ったのは1989年、お隣の台湾の病院でした。アジアはこの台湾を皮切りに、タイ、シンガポールへと取引は広がり、今ではトーショーの海外事業の主力市場ともなっている中国の病院にも導入。今後アジアでは、散薬分包機や注射薬自動払出システムの導入も期待され、これからが楽しみな市場です。
ヨーロッパで初めて錠剤分包機の導入に至ったのは、福祉国家先進国と言われる北欧スウェーデンの国営薬局。そこにはドーズ・ディスペンシングに特化した専業部門が設立され、「分包センター」と呼ばれる専業薬局が誕生しました。
一極集中型の分包センターは、ときに10台もの錠剤分包機を1箇所に集めて、各地域の長期療養施設の分包オーダーを一手に担います。このような分包センタースタイルは、オランダ、北欧各国、オーストラリア、ドイツでも取り入れられ、近年ではアメリカにも普及しつつあります。
今、どの国でも高齢化が進んでいます。それによって、在宅・ホームケア市場にドーズ・ディスペンシングの普及が進み、訪問介護士や看護士が薬局で作った一包化パウチを持って在宅患者の投薬に活用している事例や、薬が必要な人へのデリバリーサービスなど、新たなドーズ・ディスペンシングの活用法が生まれています。
トーショーは、まだまだドーズ・ディスペンシング後のケア、サービスへのサポートができていない現状があり、どのようなアイデアを持ってこのニーズに応えていくかは、今後の大きな課題と言えます。
これからも医療やヘルスケア分野の進化や変化に向き合い、真摯でチャレンジ精神のある“TOSHO works.”を世界の方々に提供すべく、取り組んでいきます。
Newsweek Internationalにトーショーの取り組みが掲載されました。