三沢薬剤師薬局様が直面している課題やご希望を伺った上で
全自動錠剤分包機「Xana-UF」、錠剤一包化鑑査支援システム「MDM」、
自動入庫払出ロボット「BD Rowa™ システム」(BD社製)をご提案し、
採用していただきました。
製品の導入に至る過程や導入後の効果について、
伊藤社長、薬剤師の花田先生、森先生にお話を伺いました。
課題
- 採用している薬品数が近年大幅に増加し、在庫量も多いことから、調剤を行う前の薬品探しに時間がかかっている。
- 1日に処方する件数の増加に加え、一包化を希望する件数も増えているため、薬剤師の負担が大きくなり、調剤ミスにつながる危険性がある。
- 調剤に手間がかかることにより、患者さまの待ち時間が長くなっている。
目的
- 薬品管理をスマート化したい。
- 多様な薬品に対応可能な分包機を導入し、作業のスピートアップを図りたい。
- 調剤鑑査業務を正確かつ効率的に行いたい。
◇ インタビュー動画
ユーザー様紹介、導入製品紹介、インタビューを動画でご紹介致します。
◇ 全自動錠剤分包機「Xana-UFシリーズ」について
Q.新しい分包機の導入を検討されたきっかけは?
森先生:
以前、分包機を導入した時に比べて、近年はジェネリック薬品も普及してきていて、採用している品目もかなり変わってきているので、分包機のカセットを大幅に変更する必要がありました。
また、以前より「処方の取り扱い数」も「一包化の件数」も増加していて、カセット数が足りないなと感じることが多かったので、新しい分包機の導入を検討しました。
Q.様々な錠剤分包機の中から、弊社の全自動錠剤分包機「Xana-UFシリーズ」を選ばれた理由は?
森先生:
収納できるカセット数が、他のメーカーさんよりも圧倒的に多かったのが選んだ理由のひとつですね。
カセット数が少ないと、うちのように処方量が多い場合には厳しいなと感じていました。
またXana-UFは、カセットへ補充する際にバーコードの読み込みなどを行うので、より調剤ミスを防ぐことに繋がると思いましたし、分包の速度に関しても、実際に見学してトーショーさんの機械が他社さんに比べて速く感じたので、そこも魅力でした。
それから、薬品の入出庫を管理する「BD Rowa™ システム」の導入が前提にあったため、そのシステムと連携できる分包機であることも大きかったです。
Q.「Xana-UFシリーズ」の導入によって、どのような点が改善されましたか?
森先生:
カセット数が増えることで対応できる処方の数が増え、患者さまの待ち時間の短縮に繋がりました。
以前は30分かかっていたものが、10分~15分ぐらいで完成するようになったのではないかなと思います。
UFが導入されたことにより、錠剤の手撒き作業が減って人為的ミスも減りました。
また一包化する処方データを分包機に送信した段階で、あらかじめカセットに足りない錠剤が分かるので、補充もしやすくなりました。
以前は分包を開始してから足りない錠剤があると途中で呼ばれることが多く、分包機から離れることができませんでしたが、いまは事前に補充できるので、その場を離れて他の作業もできます。カセットへの錠剤の補充も以前は2名で確認しながら行っていましたが、UFでは薬品のバーコード確認が可能なので、今は1人で行っています。
一包化のデータを送った際に分包機に不足している薬品の情報は「BD Rowa™ システム」へ自動的に送られるので、不足分のピッキングもスムーズになり、機器の連携によるメリットを感じますね。
Q.実際に「Xana-UFシリーズ」を使用してみて、操作性はいかがですか?
森先生:
薬品の出荷調整で採用メーカーが変更になることが多いのですが、カセットにない薬もUFで対応できるので、そこがいい点ですね。UFだと手撒きする必要がないので、正確性向上と時間短縮に繋がっていると思います。
ただ一包化を作り直す際に、カセットを使わずすべてコンベアで行う時の操作が多く、少し難しく感じました。普段はあまり行わない作業ですが、もっと簡易的だと良いと思います。
◇自動入庫払出ロボット「BD Rowa™ システム」(BD社製)について
“薬品探し”から解放され、分包機との連携で業務効率も向上
Q.自動入庫払出ロボット「BD Rowa™ システム」の導入を検討されたきっかけは?
花田先生:
うちは取り扱い薬品数が3,000種近くあり、1つの処方の日数も長いため、在庫量がかなり多い状態でした。
慣れた人しか在庫の場所が分からず、探すのに時間を費やし、簡単な処方でも30分~40分かかってしまっていたので、それを解消する機器として「BD Rowa™ システム」の導入を決めました。
Q.「BD Rowa™ システム」を導入して、課題は解決されましたか?
花田先生:
ほとんどの薬品が「BD Rowa™ システム」に入っているので、探し回ることがなくなりました。
一包化の処方に関しても分包機と連携しているので、カセット内の不足薬品はもちろん、カセットがない薬品も「BD Rowa™ システム」から自動で払い出されます。探す手間がなくなって業務効率が良くなり、スタッフの作業時間の短縮につながっています。
Rowaで払い出された薬品をF-WAVEでチェック
◇ 錠剤一包化鑑査支援システム「MDM」について
Q.弊社の錠剤一包化鑑査支援システム「MDM」 導入のきっかけは?
花田先生:
当薬局では「90日分・1日3回毎食後・一包化」といった処方が多いので、調剤業務、鑑査業務ともにどうしても時間がかかってしまいます。
そのため患者さまの待ち時間に影響が出ていたことが、MDM導入のきっかけです。
Q.「MDM」の導入によって、どのような点が改善されましたか?
花田先生:
導入以前は、薬の一部が分包紙に入っていなかったり、別の分包に入り込んでいることがあった場合に、自分たちの目だけで探すのは難しく、すごく時間がかかっていました。
MDMがミスの疑いがある箇所をアラームで知らせてくれることで効率よく探せるようになり、時間が短縮されました。
Q.「MDM」をどのように使われていますか?
また「画像鑑査機能」の使用感について教えてください。
花田先生:
MDMを使用する前に、まずは目視で一包化した1日分の分包の中身をチェックします。処方入力内容や入っている薬に間違いがなければ、MDMに一包化したすべての分包を読み込ませ、アラームがついている箇所の内容と異物などが入っていないか確認をしています。
画像が残っているおかげで、薬をお渡しした後の施設からの問い合わせにも画像の履歴をさかのぼって確認し、対応することができています。
Q.「MDM」 導入を検討している薬局さまに向けて、アドバイスをお願いします。
花田先生:
私も当初は導入に関して不安な部分もありましたが、導入後にトーショーの担当営業の方に相談し、分包紙の印字やレイアウトの変更、MDMの振動の調整(正確な画像鑑査のため、分包紙の中で錠剤が重ならないようにならすために振動を与える工程)など、様々な調整を行ってもらいました。
導入後のフォローのおかげで、今では安心して使用しています。
◇ 伊藤社長よりコメント
“最先端で最強の調剤室”構築に向け、今後も積極的な協力に期待。
当薬局は2000年の開業当初より、レセプトコンピューターとの連動による薬袋作成及び調剤機器の自動化をベースとしたトーショーさんのシステムを導入しています。
開業当時から業務の省力化が必要と考え、デジタル化を進めてきましたが、近年導入した「Xana-UF」「MDM」「BD Rowa™システム」(BD社製)といった、トーショーのパッケージとして機器同士の作業連携ができる仕組みによって、さらなる業務の単純化・正確性向上・スピードアップ等につながりました。
従業員の確保が一層難しくなっている昨今において、業務の最適化ができたと感じています。
これからの薬局および薬剤師の業務は、調剤をはじめとした対物業務から、患者さま重視の対人業務へのシフトが求められています。極端な話になりますが、「調剤は機械が行い、薬歴もDX化して入力を効率化。
薬剤師は鑑査と投薬のみに集中」といった積極的な改革を進めていくことで、当薬局は在宅医療を中心とした対人業務にシフトしていきたいと考えています。
私たちが目指しているのは、常に“最先端で最強の調剤室”でありたいということ。
そのためにはトーショーさんとの連携が不可欠です。最新情報の共有、機械の増設といった運用に対する積極的な提案から、現場スタッフの細かいニーズへの対応まで、あらゆる面でのサポートを今後も期待しています。
伊藤社長、花田先生、森先生また三沢薬剤師薬局の皆さま、ご多忙の中取材へのご協力まことにありがとうございました。
今回ご紹介した製品